HondaのASIMO(アシモ)君は、走る事はできても、早歩きはできない
2005年12月、ホンダは時速6キロで走れる新型ASIMOをデビューさせました。
でもASIMO君、もっとうまく歩けるようになってから、そういう芸を覚えようね。
君の歩き方は、いわゆるペンギンウォークであって、ストロークがないので、歩く効率が悪いのだ。
ASIMO君の歩き方がぎこちない理由は
これは誰が見てもヒザが曲がっているからだと分かります。
ヒザをしっかり伸ばして蹴り足を繰り出し、足を伸ばしたまま後ろにおもいっきり引けば、大きなストロークできれいに歩けるのです。
そういうストロークを生かした歩き方ができれば、早歩きもできるのです。
ASIMO君のヒザは、なぜ曲がっているのか
例えば重くて大きな荷物を抱えると、ヒトは必ずヒザを曲げてつま先を前方へ出します。
そうしないと、荷物の影響で前方へ偏った重心に対応できず、つんのめるように倒れてしまうからです。
実は、地上を歩く動物は重心の位置に応じてヒザやこ関節、あるいはクルブシを曲げて重心の位置のズレを調整しています。
犬でも支えるべき重心が前足より後ろ足のほうが前方へずれていますので、後ろ足のほうがよりグニャグニャと曲がっているのです。
そこからすれば、ASIMO君のヒザはかなり曲がっているので、ASIMO君の重心はかなり前よりに設計されているようです。
ASIMO君の設計は
恐らく重心線は足の裏の真ん中を通っているのではないかと思われます。
これはヒトに比べてかなり前になるのです。
だからヒトのようにASIMO君はヒザを伸ばして直立できないのです。
ヒトがこれほどまでにヒザを曲げていると疲れます。
しかし、ASIMO君は疲れないどころか、ヒザを曲げていても電気も消耗しないでしょうから、重心を過大に前にずらせて、ヒザを曲げ、より安定させる方向を選んだのでしょうね。
しかし、そのために早歩きができなくなった。
だから早歩きをすっ飛ばして、ASIMO君を走らせてしまったのでしょう。
ホンダという会社のおもいっきりの良さはこういう所にも現れています。
トヨタなら、もっときれいに歩かせてから走らせていたかもしれません。
ASIMO君はなぜ走れたのか
ヒトは走るときには上半身を前かがみにして、重心を前のめりにします。
つまり「前のめりの重心」を「推進力」に変えていくのです。
これが走るということです。
この時も、重心の位置によって足が曲がるという法則が生きていますので、直立時にはまっすぐ伸びている足の関節は曲がります。
つまり走っているときは、ヒザを始めとした関節を曲げて走るのです。
幸いASIMO君のヒザは曲がっていましたので、ウォーキングには向かなくても、ランニングには向いていたのです。
ASIMO君のヒザを伸ばすのは
ASIMO君にとってそれが幸せかどうかは分かりませんが、やはりヒザを伸ばしたほうが、かっこうが良くなることは確かです。
そのためには、前のめりすぎる重心を是正すればよいのです。
そうすれば、ヒザを伸ばすことができます。
しかし、そのためには重心線を前過ぎず、後ろ過ぎずの位置に調整して置かなければなりません。
重心位置の多少の誤差は、クルブシにかけるテンションで調整はできます。
ですから、この部分の制御の精度を徹底的に高める必要があります。
クルブシを動かすヒラメ筋は姿勢制御筋として有名ですから、ホンダの人もご存知のはず。
さらに、こ関節の部分の調整で上半身のバランスをとります。この制御は、比較的ゆっくりとした制御でかまいません。
次は頭にウエイトを仕込んでバランスを取らせます。体の一番上だと小さなウエイトで大きな制御ができます。また、フライホイールを仕込んでジャイロ効果を狙ってもよいかもしれません。
これでASIMO君はヒザを伸ばして立って、早歩きも出来るでしょう。

